ARASHIの月面ライブ

それくらいの無謀でもでかくて凄い夢を追いかけたい人のブログ。

アイドルファンダムに未来はあるのか?【後編】

この記事は後編です 

前編↓

bnw21.hatenablog.com

 

大事なのは「アイドルが成し遂げたい目的」であり、「応援は、わたしたちだけのものではない

 

 

■現在、Teamが抱える問題点

前編最後はファンダム活動そのものの悪い面、ファンダムが業界にもたらす悪い面の推測でした。

 

予想されるのはファンダムそのものの未来の危惧だけでなく、今のファンダムの構造の問題です。

 

それは、"頑張りたい人だけが頑張る雰囲気"で閉鎖的になることです。

 

ブログ主がいくつか閲覧している【ファン活動の運営アカウント】を覗いたとき、フォロワーから「応援垢の方は応援垢の方だけで繋がりが増えて活発にタグツイなどするので、違う角度から見ると"頑張りたい人だけが頑張ればいい"という雰囲気を作りかねないのでは?」という意見をもらっていたのを目にしました。※ばれないと思って原文ほぼまんまを書き込んでいる

 

K-POPアイドル界隈は、ストリーミング・動画再生・ツイートが音楽番組の投票に繋がります。

ファン全員が応援活動を意識しなくてはならない→頑張ろうと意識する人が少ない→頑張りたい人だけが頑張っても意味ないんじゃないの?→頑張る人どうしで仲良くやってもね、という意見が出たそうです。

アカウント運営の回答はこうでした。

「熱心なファン同士をつなぐコミュニティとなることは、想定していなかった」

 

日本のアイドル産業システムとは異なるので比べるものでもありませんが、ジャニーズだって「大事な応援なのに、MV再生には意識がされていない」などという現実があります。

ただ、応援活動を強制することは絶対にやってはいけません応援活動はお金や時間のかかることです。お金も時間もなくてできることははっきり言って限られています。できなくて当然っちゃ当然ですし、単純に本当にそういう活動に興味がないだけだとTwitterでアンチされることもたまにあるので、あまり声を大にしてやれとは言えません。

 

問題はそこではなくて【熱心なファン同士をつなぐコミュニティとなったってしょうがない】という話のほうです。

 

SNSの特性上「フィルターバブル」といって、自分に都合のいい情報しか流れてこなくなります。好きなこと・興味のある情報だけで溢れると、いつしかそれがコミュニティの「常識」になります。

また、身内どうしで固まると、本来の"目的"から離れて「一集団で楽しくわいわいやる会」と閉鎖的になっていきます。このことがどれほど問題になるかはわかりませんし、内部にいて誰も不幸にならないので問題として挙がりません。おそらく、ファンダムの運営アカウントの多くは広域に発信することを第一として設計しているために、運営垢と中の人たちをごちゃごちゃにしていないのです。

「この価値ある応援はもっと多くの人にやってもらいたいのに、いつの間にか部活動として完全に孤立していた」というのは、あってはいけないと思います。

 

いま客観的に見て、Teamは閉鎖化の一途をたどっています。前に大人から「その活動はなにをもって成功なの?どうやって活動人数が増えたと判断しているの?」と尋ねられた時、答えられませんでした。「自身のフォロワーが増えている、お知り合いが増える」ことではどうにもキンプリムーブメントに対抗できるわけがありません

 

それで導き出した答えは、全てのファンに「目的の共有が必要」なのであって「Teamメンバーが増える」ことは不必要だ、ということです。それって何が違うの?↓

 

 

■嵐ファン 特殊オブ特殊説

論文に書くことや今後の身の振り方を決めるため、参与観察(調査対象たちとともに過ごしていろいろデータをとること)をした結果、やっぱり応援活動を広めるって難しいということが判明しました。

 

まず、どこの誰よりも嵐ファンは特殊です。というのも、嵐ファンは年齢層や生活水準の幅が(人口比的に)広すぎるのです。

ファンダム活動は時間やお金がかかりがちですが「時間もお金も大丈夫!ハワイ旅行にすぐ行ける」人から「ファンクラブに入れない勉強漬けの学生」「最近いないいないばあを観始めた子ども」までいて、その時点でファンダム活動ってできる人が結構絞られるんです。

 

で、ヲタ活の活動拠点をとっても「Twitterでたくさん友だちを作り、実際に現場で集合写真を撮る人たち」もいれば「大野担から1人、櫻井担から1人…」と友だちをかなり絞るファンもいるし(驚愕)「インスタがメインです」の人もいますし「SNSやっていません」の人もいる。

そして「嵐ファンを公言していないが、サブスクで嵐を聴いている(ヲタ垢を持っていない)」人はめちゃめちゃいる(多分)。

「絵を描いています」「愚痴を書いています」「同担しかフォローしない」の人もいる。日本のトップアイドルゆえに、ファン層が広すぎるのです。

この中で、どれくらいの人口が嵐の応援活動をしている人たちを知っているか、そこに加わったり同じことをしようと思うか、思わないかという予測をするのがとても難しく、どう思ってるのかよくわからない。

ただ言えるのは、嵐ファンはおそらく結束が嫌いなんじゃないか?ということです。

 

 

■「ファンネーム」と「ファンダム」にみる嵐ファン

先日、あまりにも11月に疲れる案件が多かったので母に

「もう疲れたわ、これ以上数の差をどうやって埋めたらいいのかわからないよ~なんで嵐のファンのひとって興味もってくれないのかな(泣)」

という相談事をしていました。すると母が、

「嵐のファンって本当に大きなくくりだからね、難しいと思うよ」

と言いました。

 

母の知り合いに、最近平野紫耀くんを好きになった人がいたそうですが、その方が「いまティアラの皆さん大変そうですね…」と、明確に自分がティアラではないキンプリのファンだと認識していたそうです。

よくK-POP界隈では「ファンネーム」あるいは「ファンダム名」という言い方で、アイドルの公式のファン名の概念があったりします。BTS「ARMY」、SEVENTEEN「CARAT」みたいな感じです。

ジャニーズでも公式ファンネームを作っているグループがあります。たとえばKing&Princeは「ティアラ」。母が言うに、このファンネームの有無が結果的に連帯意識に繋がっているのではないか?と。

 

ファンダムとファンネームはイコールではありません。ファンネームはファンの総称というだけです。BTSアメリカファンダムは、アメリカの「ARMY」として「BTSx50STATES」という一組織名を作っています。キンプリなら「ティアラ」とは別に「Crown」を名乗っているようです。が、キンプリの場合、結局は皆が「ティアラ」として、事務所を訴えるムーブメントやMV再生のムーブメントが起こっていました。

このファンネームがもたらす大きな「わたしたち」に駆られて、「私たちが応援するんだ!」と同じ目的を皆がともにしたのではないかと考えられます。会費を払ってコンサートに応募する、グッズやCDを買う、MVを再生するという域まで熱心な「ティアラ」という連帯なのです。

ファンネームがあると、アイドル側が「eighterの皆さん」とか「Thank you セクラバ!」と言ってくれたりするので、全く違うヲタ活スタイルでもコンサート会場に入ればひとつ!みたいな感覚があるのかもしれません。

 

では、嵐ファンはどうでしょう。公式ファンネームはありませんので、全員が共有する「わたしたち」感覚はない。ファンネームがないのはストスノも多分トラジャもそうですが、嵐の場合は大衆性により、熱量やスタイルに差があり、とにかく様々なファンがいるのでまとまるというのは非常に難しいと感じます。

加えて、ファンによるクラウドファンディングやムービー制作企画、タグパーティーにも疎い&冷たい&すぐ叩く。「ファンから嵐に~」的なフレーズを好まない。根っからのムーブメント嫌いとみています。どこかに集団ができても、まずその集団を疑うところから入る。クラウドファンディングも、ナントカプロジェクトも全部。集団が他の集団を疎ましく思ってるなんてこともあります。

でもそれは仕方のないことです。ムーブメントを起こす風習が、おそらく嵐ファンにはなかった。だから、個人や複数人で会話する程度のヲタ活、情報集めに見るだけ、インスタに映え写真を投稿するような、個人or複数人で完結することがメイン。「わざわざ集団に関わるメリットなんかない」ということじゃないかと。

 

そうしているうちに活動休止となり、いよいよムーブメントが起きるきっかけが年1の結成日やデビュー日くらいしか出てこない。応援すると言っても新曲もないし「なんのために集まるのか」集団化する理由もない。

自らムーブメントを起こすと「また始まったよあの人たち」。海外ラジオ公式の嵐に関するお知らせをRTすることはあっても、やはり直接的に「応援してます!」と名乗り出てこない。逆にいうとGenius閲覧数100K突破くらいの話題を作り出せば気づいてもらえるわけですが…

 

「私は誰かとのやりとりを求めてないからTwitterはやらない。集団になりたい人って会話が好きな人たちなんでしょ?」というスタンスの人もいます。逆に「応援したいからTwitterをはじめました!」という方をよくお見かけします。

 

このように、アイドルの応援の仕方は千差万別なのです。だから応援活動を強制することは絶対にやってはいけません。たくさんのスタイルの人が嵐のまわりになんとなく集まっている「嵐ファン」を対象として広報をすることは至極困難なのです。結論が「嵐ファンはファンダム化はムリ」。

 

 

これは個人的な話になりますが、私は人と仲良くなる場の価値はじゅうぶん理解しており、コミュニケーションはとても大事だと思っています。が、それはファンダム活動での目的ではなくファンダムの副産物だという考えをもっています。ファンダムは自分の居場所をくれる。そこに友だちがいる。だから集まる。ブログ主はどちらかというと「今足りないインフラは何か」「他のファンダムはどんな運営をしているのだろう」「こんな考え方が最近始まっている」みたいな興味を、嵐を応援する目的でもっています。

個人的な意見を人様に押し付けてはいけないのですが、全てのファンダムに申し上げたいのは「応援って、わたしたちだけのものですか?」と。つまり、ファンダムは利益をもたらせているけれど危険性も伴うのだから「わたしたち」でまとまることにこだわる理由がわからない、どんどん活動について広めなければならないと本気で思っています。強制してはならないが、見えないムーブメントアンチの皆様から活動をやめさせられるわけにはいかない、そういう類の活動をしているのです。直接的にいうと「誰が応援したっていい」。

 

大事なのはファンダムを創設し集まることではなく、成し遂げたい目的の方にあるのではないですか?

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■「ファンダム」は「ユニバース」へ…

仮にファンダムが、アイドルの意思に全く反している応援活動をしているなら、それは非常に危険な行為です。が、Teamの場合一応本人の意向に沿った応援をしていると思うんですね…

嵐「SNSやるよ!サブスク解禁だよ!全編英語だよ!」

ファン1「えーあんまり好きな曲じゃないなー」→応援活動をしない

ファン2「応援する!」→応援活動をする

所詮こんなもんだと思っています。一応本人の意向に沿った応援をしており、休止中ということもあって本人のプレッシャーということも多分、ないわけです。

本人の意向に反して「Turning Up」のことを「K-POPみたい」と浅はかな知識でバカにしていた同級生のことを私は一生許しませんが、そういう活動が好きかどうかは別としてVoyage14話 19:56-で潤くんが「支持してほしい」という主旨のことをはっきり申されているので…そんな大事なこともっとちゃんとファンに言いなよ!

そういう意味では、トラジャやキンプリは割と明確にずっと「世界に!」と言っているので、ファンがついていったら相当なチカラをもつのでは…。

 

アイドルが夢を描き、その目的をファンや運営が共有する

 

ファンはアイドルと並走したり共創したり、ちょっと遠くからその様子を眺めたり、必要に応じて離れる。アイドルのまわりにさまざまなファンが集まって、ともに未来を目指す。それはもう宇宙と呼ぶほかありません。

運営は目先の利益や風習にとらわれてバカみたいにアイドルを生産するのではなく、アイドルの意思を最大限活かせるプロデュースと、ファンにもっと関わってもらえる場の提供をする。

あんなに売れたBTSだって、音楽賞受賞曲やストリーミング1位曲は「大衆にはウケたけど、自分たちの方向性がわからなくなった」と語っていますし、すべてがちょっとでも崩れたらおしまいなんです。だから脱退や退所を選択するのですが、あれは「事務所がやらせてくれない」だけではなく「ファンがついてこなかった」という要因もあるような気がします。

 

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「同じ夢を見ようぜ!」と翔くんが言っているのを何度もリピートしてご覧になっていると思いますが、目的や理念にコミットする…多くのファンを惹き付けてOne Team(ラグビーか?)となってアイドルが創る大きな宇宙化してしまえばいいんじゃないか

…というのが、私の思うファンダムの未来です。

 

 

嵐ファンの未来とて同じです。応援垢を作ってもらうこととか、フォローしてもらうことが大事なのではない。

彼らの描いていた夢をもういちどVoyage14話を見て考え直し、それからTeamとしてできることは活動に興味をもってもらえるように、群れなくてもできることをお伝えしていくことで…

 

いずれ夢が潰えるとは思っていませんが、もっと本来の力を発揮できるんじゃないかと思います。

 

大事なのはアイドルが成し遂げたい目的であり、応援は、わたしたちだけのものではないということを、今お困りのファンダムやまだ問題が出ていないファンダムにお伝えしたいと思います。

ファンダムはこれからはプロモーター、研究家、狂信者(いい意味で)、クリエイターの集まりという概念に再構築されます。

 

しかし、活動家たちの中にアイデアマンや技術者が存在しますので、そういったコアメンバーがコアメンバーへ施策を打ち出すのはいつも通り。そこから他のタイプのファンへ伝播するにはどうしたらいいのか?この発想の転換や運営の態度が、アイドルの夢のために応援できるような「共創」アイドル産業へ熟成させるのではないでしょうか。

 

「決して様々なファンを否定しているわけではない」ということを強く主張します。が、大きな大きな宇宙にいらっしゃるファンを対象にVoyage14話の大切さを伝えるには、一体どうすればよいのでしょうか?

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